相続登記の登録免許税

令和641日から相続登記の義務化が施行となりました。相続登記を司法書士に頼まずに、自分でやるとお考えになっている方もいると思います。そこで一般の方が相続登記をする場合に頭を悩ませることが多い登録免許税について簡単に説明させていただきます。

あまり難しいことを伝えてもわかりにくいと思いますので、基本的なことを説明します。まずは基本的なことを押さえてください。

 

※相続登記⇒相続を原因とする被相続人から相続人への移転登記

※登録免許税⇒登記申請をする場合に国に納める税金

 

○相続登記の登録免許税の税率について

相続登記の登録免許税の税率は1000分の4です。これがまず基本となります。例えば土地が相続登記の対象となっており、その固定資産評価額(以下評価額と記載)が1000万円であれば、相続を原因とする所有権移転登記の登録免許税は1000万円 × 4/1000= 4円ということになります。 

 

相続を原因とする所有権移転登記の登録免許税の具体的な算出方法について

まず相続登記の対象となる不動産の評価額の合計を出して、その金額の下3桁の端数を切り捨てにします。この額が課税価格になります。この課税価格に1000分の4を掛けて出した金額の下2桁の端数を切り捨てにします。これが登録免許税になります。

これが基本的な算出方法です。

 

例えば土地の評価額を12345678円とします。その土地の上に立つ家屋の評価額を7654321円とします。土地と建物の評価額の合計は19999999円となります。ここで下3桁の端数を切り捨てにします。そうすると19999000円となります。これが課税価格になります。これに1000分の4を掛けます。そうすると79996円となります。ここで下二桁の端数を切り捨てにします。この79900円が登録免許税となります。

 

※被相続人の持分全部を、相続を原因として移転する「持分全部移転」の登記を申請する場合は、不動産の評価額の合計に移転する持分の割合を掛けて課税価格を算出します。

※算出した登録免許税が1000円未満の時は、登録免許税は1000円となります。

 

不動産の評価額の調べ方

不動産の評価額の調べ方ですが、固定資産評価証明書に評価額の記載があります。また固定資産評価証明書は相続登記の添付書類となりますので、まず固定資産評価証明書を取得しましょう。相続対象の不動産が東京23区内にあれば どこの区の都税事務所でも取得できますし、23区以外の自治体に不動産があれば、各自治体の役所の固定資産税課等で固定資産評価証明書を取得できます。

 

相続登記の登録免許税が非課税となる場合 

基本的には土地や家屋については評価額があり、それが課税価格の基準となります。しかし仮に評価額があったとしても相続登記が非課税となる場合があります。 

相続登記の登録免許税が非課税となる代表的な例として、「租税特別措置法第84条の2の3第1項により非課税」となる場合と「租税特別措置法第84条の2の32項により非課税」となる場合があります。いずれも土地の課税価格が非課税になります。この2つの非課税条文はわりと適用となる事例がありますのでご注意下さい。

 

※前記の非課税条文は令和7331日までにする相続登記に適用となります。

 

   租税特別措置法第84条の2の3第1項が適用となる場合。

これはお亡くなりになった人の名義に相続登記を入れる場合です。ちょっと一般の方には違和感があるかもしれませんが、お亡くなりになった人の名義に相続登記をすることも可能です。この場合は非課税になります。

 

例えばAが死んで子供のBがその遺産である土地を相続し、さらにBは売主としてその土地を売却したが、Bが相続登記と売買による移転登記をしないうちに死亡した場合などに生じる事例です。この場合にはまず亡Aから亡B名義に相続登記をして、その後に亡Bから買主に売買を原因とする移転登記して買主名義にすることになります。この場合、亡Aから亡B名義にする相続登記が非課税になります。

 

   租税特別措置法第84条の2の3第項が適用となる場合

1筆の土地の評価額が100万円以下の場合には、その土地については非課税となります。これはわりとある事例なので注意が必要です。

東京23区では土地の評価額が100万以下になる場合などほとんどないと思っている方もいるかもしれませんが、実際には、1筆の土地の面積が小さな土地は割と存在し、このような小さな土地は評価額が100万円を切る場合があります。

また、例えば評価額が150万円の土地でも、その2分の1を相続する場合には、評価額は150万円×1/275万となり、この場合も非課税条文が適用になります。

いずれにせよ、1筆の面積が小さい土地が相続登記の対象になる場合には、土地の評価額が100万を超えるか否か注意すべきです。

 

例えば、Aの土地とBの土地の2筆の土地が相続登記の対象となっている場合に、Aの土地が1000万円の評価額、Bの土地が30万の評価額とすると、Bの土地は100万円以下なので非課税となります。この場合には登録免許税の算出においてB評価額の30万円を課税価格から除外します。よってAの土地の1000万円のみが課税価格となり、登録免許税は4万円ということになります。

 

「租税特別措置法第84条の2の3第1項」により非課税となる場合と「租税特別措置法第84条の2の32項」により非課税となる場合には、登記申請書の登録免許税の項目に、必ず「租税特別措置法第84条の2の3第1項により非課税」、「租税特別措置法第84条の2の3第2項により非課税」と記載します。この記載がないと非課税の適用は受けられませんのでご注意ください。

 

以上、相続登記をする場合の登録免許税の算出方法等について基本的なことを説明しました。

 

〇登録免許税の算出等で悩んだ場合の対処法

前記で説明した算出方法で対応できる相続登記の事例は多いと思いますが、仮に登録免許税の算出方法等で悩んだ場合には、ネット等で調べるのも良いのですが、一番確実なのは、評価証明書や登記簿謄本などを持参して、相続登記の対象となる不動産を管轄する法務局に相談するのが確実です。

 

法務局に相談する際には必ず予約をした上で相談してください。予約をしないで相談に行くと長時間待たされる場合がありますのでご注意ください。

 

また、これはよくある事例ですが、「相続登記を自分でやろうと思ったが、やはり時間もないし手間もかかるということがわかったので、司法書士に依頼することにした」という事例です。

相続登記の手続きを自分でやろうとして、行き詰まったら司法書士に相談・依頼をすると言うのも当然にありだと思います。

司法書士の報酬が高いと思っている方もいると思いますが、通常、登録免許税込みの価格で見積書を作成するのでそう感じる方がいるのかもしれません。

登録免許税の方が司法書士の報酬よりも高額になる場合が普通にあります。登録免許税を除いた司法書士の報酬だけで考えると、思ったよりも高くないと感じる方もいるのではないでしょうか。

 

自分で相続登記を申請しようとして行き詰まった場合には、お気軽に司法書士にご相談ください。当事務所は相続に強い司法書士事務所です。お気軽にお問い合わせ・ご相談ください。

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