遺産調査のやり方

□遺産調査のやり方

 

相続が開始したら、戸籍を集め相続人を確定する作業とともに、遺産を調査して遺産を確定する作業が必要になります。

 

〇遺産の種類

遺産には下記のようにいろいろな種類があります。また、マイナス財産、つまり借金なども遺産に含まれます。

・現金

・預貯金

・株式、その他投資信託等の金融資産

・不動産、借地権他

・車、バイク等

・絵画、貴金属等の動産

・借金、保証債務、ローン債務等の債務

 

上記のように、いろいろな種類の遺産がありますが、一般的に遺産分割の対象となることが多いのは、不動産、銀行の預貯金、株式等の有価証券、債務などです。

被相続人に負債がある可能性が高い場合は、誰かに借金をしていないか、消費者金融と取引等はないかなど、特に丁寧に債務について調査する必要があります。

また、相続税との関係もあるので、生命保険等についても調べましょう。

 

〇調査の段取りについて

例えば、銀行等に口座があるかどうか確認するためには、銀行等に対し、遺産の調査人が相続人であることを証明する必要があります。よって遺産調査の前提として、まずは、戸籍などを集め、調査人が相続人であることを証明する必要があります。

ゆえに、遺産調査の段取りとしては、相続人であることを証明する戸籍の取得から始めるのがベターです。

 

〇相続人を確定するために一般的に必要な戸籍は下記の通りです

・被相続人が生まれた時からお亡くなりなった時までの継続したすべての戸籍。

・被相続人の住民票除票(本籍を載せる)

・相続人の現在戸籍

 

※相続手続きで使うことも多いので、印鑑証明書も取得してください。

※若い方に多いと思いますが、実印の登録をしてない場合は、住んでいる市区町村に実印の登録をして、印鑑証明書を発行することになります。

※銀行等で相続手続きをする場合、発行から6か月以内など、印鑑証明書に期間制限がある場合があります。ご注意ください。

※兄弟相続や代襲相続などでは必要な戸籍も増えます。ご注意ください。

 具体的な戸籍の集め方は、戸籍等の取得についての項をご参照ください。

※相続手続きをする金融機関が多い場合などは、法定相続情報を取得した方が良いでしょう。詳細は、法定相続情報証明制度の項をご確認下さい。

 

〇遺産調査の方法

まず、被相続人の自宅など、被相続人が暮らしていた場所をじっくり丁寧に調べてください。被相続人宛の郵便物、被相続人名義の通帳やキャッシュカードなどの有無やその内容等をきっちりと丁寧に調べます。また権利証や固定資産税納税通知書なども探してください。同時に遺言書についても有無を確認します。また、最近は、ネットバンキングなど利用する方も多いので、被相続人様のパソコンやスマートフォンも調べて下さい。

丁寧に調査をすれば、預貯金がある銀行や株式等を預けている証券会社、所有する不動産などおおよそ判明すると思います。

 

被相続人が遺言書を作成している可能性が低い、相続人が一人である、あるいは相続人間で争いがないなどの場合で、被相続人が隠したり、嫌がる様子がなければ、生前に、被相続人から、遺産の内容について聞いておくこともよいと思います。(争いのもとになりますので、生前、被相続人から聞いた遺産に関する情報は相続人全員で共有してください。)

 

※大手都銀やゆうちょ銀行等は通帳等がなくても念のために問い合わせをし、口座があるかどうか確認した方が良いでしょう。

※被相続人がメインバンクにした銀行やよく取引をしていた銀行については貸金庫の有無についても調べましょう。貸金庫の中には遺産に関する資料や、遺言書がある場合もありえます。

※取引のある銀行に被相続人死亡の旨を伝えると口座が凍結されます。その口座がお振込みや引落としの対象口座となっている場合は、あらかじめお振込みや引落とし口座を他の銀行に移し、それから被相続人の相続に関する連絡をしましょう。

 

※銀行などで資産調査するときは、残高証明書を取得しましょう。遺産を確定するために必要です。

 

※遺産の中に不動産がある場合は、相続登記をすると思いますので、相続登記に必要な書面として固定資産評価証明書も取得してください。

 

※不動産は固定資産税が非課税のものもあるので、固定資産税納税通知書に記載のない不動産が存在する可能性がある場合は、不動産が存在する可能性のある市区町村で名寄帳(※)を取得してください。

※名寄帳⇒個人が所有している不動産の一覧が記載されている書面。市区町村ごとに発行される。名寄帳には非課税の不動産も記載されているので、被相続人名義の不動産の調査に有益です。

 

〇遺産に対応した相続手続き・段取り等について

多額の借金やローン等がある場合などマイナス財産が多い場合は相続放棄で対応します。相続放棄は期間の制限があるので注意が必要です。また遺産の価値・価格等は、遺産分割協議の前提となります。

 

簡単に相続手続きの流れをまとめると、以下のようになります。

相続が開始したらまずは戸籍を集める⇒それと並行して被相続人の住居などを調査して遺産に関する資料を集める⇒そして、金融機関等に確認して遺産の内容・価格・価値等を確定する⇒相続人が確定し、遺産も確定したら、より具体的に遺産分割協議を進め、最終的には遺産分割協議書を作成し、相続人全員が署名・押印し⇒その遺産分割協議書等を用いて各種相続手続きをする。

と言う流れになります。

 

相続手続きを滞りなくするため、また、期限内に相続放棄や相続税納付などにも対応する為、遺産調査は早めに開始した方が良いでしょう。

 

※相続放棄は期間の制限があるので注意してください。詳しくは、相続放棄の項をご確認ください。

※相続税の控除額を超える可能性がある場合は、相続税の申告の期間制限に注意をしてください。詳しくは、相続と相続税の項をご確認ください。

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