@ 嫡出子と非嫡出子の法定相続分の改正

平成25年9月4日最高裁にて民法900条4号ただし書き前半部分について、違憲であるとの決定が出ました。この決定をうけて民法の一部を改正する法律が平成25年12月5日成立し、同月11日公布、施行となりました。

簡単にまとめると、非嫡出子の相続分が嫡出子の相続分の1/2とする部分が、法の下の平等を定める憲法14条1項に違反しているとされ、法改正により嫡出子と非嫡出子の法定相続分は同じということになったのです。

 

 

改正前の例

 

丁    甲   乙

 

  戊    丙

 

 

甲(被相続人)と乙は法律上の婚姻関係にあり、甲と丁は法律上の婚姻関係にないとします。

甲と乙の子、丙は嫡出子。甲と丁の子、戊は非嫡出子ということになります(養子縁組等はないものとする)。甲の遺産の総額は2400万円とします。

 

改正前の法定相続分は乙3/6、丙2/6、戊1/6、ということになります。丁は法律上の婚姻関係にないので、法定相続分はありません。よって各具体的相続分は下記のとおりになります。

 

2400万円×3/6=1200万円⇒乙の具体的相続分

2400万円×2/6=800万円⇒丙の具体的相続分

2400万円×1/6=400万円⇒戊の具体的相続分

 

この例でいうと嫡出子である丙は非嫡出子である戊より400万円も多く遺産を受け取ることになります。

 

 

改正後の例

 

丁    甲   乙

 

  戊    丙

 

 

改正後の法定相続分は乙2/4、丙1/4、戊1/4、ということになります。

よって各具体的相続分は下記のとおりです。

 

2400万円×2/4=1200万円⇒乙の具体的相続分

2400万円×1/4=600万円⇒丙の具体的相続分

2400万円×1/4=600万円⇒戊の具体的相続分

 

嫡出子である丙と非嫡出子である戊は同じ額の遺産を受け取ることになります。

 

 

 

○以下この改正及び改正条文のポイントを記します。

 

ポイント1 新法・旧法の適用時期(最高裁決定の適用範囲)

 

最高裁の決定を基に法の適用時期(適用範囲)は下記のとおりになります。

 

「平成13年6月30日までに開始した相続」 

 

改正前の法適用で、非嫡出子の法定相続分は嫡出子の法定相続分の2分の1ということになります。

 

※相続の開始時期⇒相続は死亡によって開始する(民法882条)

つまり被相続人の死亡日が基準となります。

 

 

「平成13年7月1日〜平成25年9月4日までの間に開始した相続」

 

確定した法律関係の場合は改正前と同じ扱い。つまり非嫡出子の法定相続分は嫡出子の法定相続分の2分の1との扱いでも、その確定した法律関係には影響なし。

 

例)平成25年9月4日までに遺産分割協議が成立している場合。平成25年9月4日までに遺産分割の審判が確定している場合。

 

確定していない法律関係の場合は、改正後の法適用⇒非嫡出子の法定相続分と嫡出子の法定相続分は同じになる。

例)平成25年9月5日以後に遺産分割をする場合

 

 

「平成25年9月5日以後に開始した相続」

 

改正後の新法適用で非嫡出子の法定相続分と嫡出子の法定相続分は同じとする。

 

 

ポイント2

これは、法改正の前後で変わりがないことですが、相続人が嫡出子のみ、あるいは非嫡出子のみという場合は、そもそも本条文の適用外であり、単純に相続人たる子が複数いる場合になります。

 

 

平成25年の法改正で影響を受けるのは、相続人に非嫡出子と嫡出子がいる場合ですが、上記説明を参考にし、法定相続分を確定させ、遺産分間協議や話合いを進めて下さい。

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