戸籍を集めよう(基本的な戸籍等のとり方)

メール等による、お問合せで多いのが、「相続の登記をしたいが、どのような戸籍が必要になりますか?」というものです。登記に限らず相続に関する手続きでは戸籍を集めることが基本的な作業になります。そこで、本項を作成しました。ぜひ参考になさって下さい。

○相続登記に戸籍・住民票等を添付させる理由

これは、被相続人及び相続人の確定及び特定の為です。実体上(法律上の)の相続関係の確認・確定と特定ということでもあります。

相続人を確定する為には、被相続人の出生時からお亡くなりになった時までの戸籍等を確認し、相続人は誰かということを証明する作業が必要となります。そのために相続登記や相続の手続きにおいては戸籍が重要となるのです。

○説明をする前提として、戸籍・住民票等の種類について簡単に説明します。

・現在の戸籍(戸籍の全部(一部)事項証明)⇒戸籍といえば通常これです。戸籍の全部事項証明の場合、夫が筆頭者だとすれば、妻、婚姻前の子供などに関する記載があります。

※戸籍謄本⇒戸籍の全部事項証明⇒戸籍に載っている全員に関する記載があるもの。

※戸籍抄本⇒戸籍の個人事項証明⇒戸籍に載っている中の一個人に関する記載があるもの。

・改製原戸籍(原戸籍)⇒戸籍法の改正にともない、戸籍も改正(変更)された場合、その改正・変更される前の戸籍のこと。

・除籍⇒在籍していた人が、転籍・死亡・婚姻・離婚などにより一人もいなくなった戸籍のこと。

※転籍⇒本籍地を移ること

・住民票除票⇒死亡等により住民登録が抹消された住民票。被相続人の死亡時住所を証する。死亡の場合、死亡時の住所地で取得する。

・戸籍の附票⇒戸籍に記載されている人の住所の移動履歴が記載されている書面。

 戸籍とリンクしているので、取るのは本籍地がある市区町村。

○それでは、割と多いであろう基本的な例で、具体的な戸籍等取得の段取りを説明します。どのような戸籍が必要で、どのように戸籍等を集めればよいか、参考になさって下さい。

例)亡父A(被相続人 90歳で死亡、相続開始) 母B(85歳) 長男C(60歳 結婚して自身が筆頭者 (戸主)) 長女D(55歳 結婚して夫が筆頭者 (戸主))

※BCDの年齢は、全て亡父Aの相続開始時の年齢です。

相続財産である亡父A名義のマンションを法定相続分で相続登記する場合について。

まず、この場合必要となるのは、

・亡父Aの出生時から死亡時までをカバーする継続した全ての戸籍

※8歳位からの戸籍でも、門題は無いと思いますが、原則的には出生時からの戸籍が必要です。

・母B(85歳)の現在の戸籍⇒本籍地の自治体で取得

通常は、亡父Aの死亡の記載のある戸籍が、 母Bの現在の戸籍(戸籍の全部事項証明)ということになります。

・長男Cの現在の戸籍(自身を筆頭者とする戸籍)⇒本籍地の自治体で取得

・長女Dの現在の戸籍(夫を筆頭者とする戸籍)⇒本籍地の自治体で取得

・亡父Aの本籍の記載のある住民票除票⇒死亡時の住所地の自治体で取得

・亡父Aの戸籍の附票⇒本籍地の自治体で取得(必要となる場合があります※参照)

※相続財産たるマンションの登記簿謄本に記載されている、父Aの住所が、死亡時の住所と異なる場合は、登記簿謄本上の住所と死亡時の住所をつなげる為に、戸籍の附票等が必要になる場合があります。登記簿謄本上の住所と死亡時の住所が同じであれば、住民票除票のみで足ります。

・母B、長男C、長女D、の本籍の記載のある住民票⇒住所地の自治体で取得

ポイント

戸籍を取りに、市役所等に行く場合は、本人確認の為の免許書・パスポート等と認印をご持参ください。相続に関係のない人が戸籍等を取りに行く場合は、何が必要となるか、事前に、市区町村のホームページか担当者に電話で確認の上、市役所等に行って下さい。

ポイント

本籍と住所の関系性を示す目的や戸籍を取る際のガイドにもなりますので、住民票除票や住民票には必ず本籍を載せて下さい。 

○前記例で遺産分割協議により、マンションの名義を母Bの単独所有(単独の名義)にする場合

基本的には、必要となる戸籍等は同じですが、遺産分割協議書の作成が必要となり、相続人B、C、Dの印鑑証明書も必要となります。遺産分割協議書には相続人全員が署名し、実印により押印をします。

※各相続人の印鑑証明書は、銀行等の相続手続きでも必要です。遺産分割協議書を作成しない場合でも、取得したほうがよいです。

○その他の登記に書面

相続する不動産の固定資産評価証明書が必要です。司法書士等に登記を委任する場合は委任状も必要です。

 ※不動産の固定資産評価証明書は、東京23区内の物件であれば、23区のどの区の都税事務所でも取得できます。市町村にある物件については、市町村役場で取得できます。

 ○戸籍等の具体的な取得例

被相続人の本籍地がどこか、ぱっと出てこない方もいると思います。そこで、まずは被相続人亡父Aが亡くなった時の住所地の市区町村で、亡父Aの本籍の記載のある住民票除票を取ります。住民票除票に記載された本籍地が住所地と同一の自治体であれば、その住民票除票を取った市役所等で、被相続人の死亡の旨の記載がある戸籍(戸籍の全部事項証明)を取ります。一般的には、その戸籍には配偶者であるBに関する記載もありますので、この戸籍は、Aの死亡及びその日時を証するとともに、Bの現在の戸籍も兼ねることになります。

ポイント

戸籍を取る際には「相続の登記・手続き等で使いたいので、被相続人○○に関する戸籍が欲しい」旨を窓口の担当者等に伝えて下さい。そうすると、改製原戸籍もその自治体にある場合が多々あります。

さらに、「被相続人の出生時からの戸籍を取りたいが、さらに前の戸籍を取る必要があるか」ということも、窓口の担当の方に聞いてみて下さい。「戸籍を取る必要があります」と言われたら、「この戸籍の前の戸籍の本籍地はどこで、どのようにすれば前の戸籍を取得できますか」、あるいは「この戸籍の前の本籍地、前の本籍地を管轄する自治体はどこで、戸主はだれですか」と聞いてみてください。窓口の担当の方は戸籍については詳しいので、丁寧に教えてくれると思います。

前の本籍地が近隣自治体ならばそのまま、その取った戸籍を持ってさらに戸籍を取りに行けばよいですし、遠方の自治体なら、インターネットや電話等で、郵送での取得方法や料金等を確認してください。多少面倒かもしれませんが、その都度、自治体に確認しつつ取得手続きを進めれば、被相続人の出生からの戸籍は取れると思います。

ポイント

わからない点などがあれば、自治体の担当者に聞いてみてください。担当者もプロなので、丁寧に教えてくれるはずです。

※どうしてもわからない場合は、戸籍持参の上、当事務所にご相談下さい。

○まとめ

以上が、おおまかな戸籍等取得の流れの一例です。相続に関する戸籍等の収集作業は、要する手間、時間等を考えると意外と大変なものです。「戸籍等を集める時間がない」「戸籍のつなげ方(見方)がわからない」「最初から司法書士に頼みたいので、費用・報酬を聞きたい」などお考えの場合は、当事務所宛にお気軽にご相談、お問い合わせください。

※住民票除票と戸籍の附票の保管期間は令和4年現在、原則たった5年なので、相続登記に添付できない場合がよくあります。この場合の対応については、次項「住民票除票と戸籍の附票について」に詳しく書いておりますので、そちらをお読みください。

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