令和6年4月1日に相続登記が義務化となりました、そこで4月と5月は相続や登記の手続きを進める上でのポイントなどをブログでお伝えしていきたいと思います。参考にしてみてください。
お客様とご相談をしているときによくあるのが、「遺言書が絶対あるはずなのに見つからない」あるいは「登記済権利証をなくした」と言う話です。いずれも登記をする上で重要な書面です。
遺言書が見つからなかった場合、相続人が複数いる事案では、基本的に遺産分割協議をすることになります。また権利証がない場合は、司法書士が本人確認情報を作成することになります。いずれにしてもかかる手間や時間・費用等は多くなります。遺言書や権利証等が存在している可能性が高い場合には、それらを探し、見つけて、それを使い手続きをした方がスムーズに物事が進む可能性が高くなります。
遺言書や権利証等があるはずなのにない場合には、「一般的には、大事なものは簡単に捨てたりする事は無いので、ちょっと探しただけであきらめないで、粘り強く探してください」とアドバイスをします。探しても見つからない場合もありますが、粘り強く探してもらうと、ほぼほぼ見つかることが多いです。
前の遺産分割協議に関するブログでは基本的なことをアドバイスしました。今回も基本的なアドバイスで恐縮ですが、遺言書や権利証がない場合には、諦めずにありそうな場所をとことん探してみてください。
〇一般的に遺言書や権利証などの、登記において重要な書類が保管されている可能性が高い場所等を例示しましたのでご参考下さい。
・金庫⇒簡単な持ち運べるものから、大きな金庫まで、全ての金庫の中身を確認して下さい。
・銀行の貸金庫
※相続人が貸金庫を開ける場合は金融機関にその段取りをご確認下さい。
・大事な書類などがまとめて保管してある場所等⇒例えば大事な書類が保管してある引き出しや箱(昔の方は頂き物が入っていた箱などに重要な書類を保管していることなどがあります)
・公正証書遺言をしている可能性がある場合は、公証役場に問い合わせをしてみて下さい。公証遺言の存在の有無を確認するための段取りを教えてくれます。(公証役場のフォーマットの公証遺言調査用の書面を記載して提出することになります)
・最近始まった制度ですが、法務局に自筆証書遺言を保管している可能性がある場合には、法務局に問い合わせをするか、また法務局のホームページなどで遺言書の存在の有無の調査方法を確認してみて下さい。
・権利証については、権利証を取得した時、例えば売買で建物や土地を取得した時の状況を思い出してみる。特に権利証を不動産業者や司法書士から受け取った時の状況などを思い出してみましょう。
・遺言書の場合は、遺言者が遺言書を作成したであろう時期に、遺言者がどのような生活をしていたのか思い出してみましょう。
他にもあるとは思いますが、登記上重要な書面等をなくした場合に、それらの書面を探す時の参考にしてみて下さい。
※実際には様々な事情や状況があると思いますので、前記の例示等はあくまでも参考として捉えて下さい。