代表相続人とは相続人が複数いる場合に、相続人を代表して各種の相続手続きを行う人のことです。一般的には遺産分割協議書で定めることが多いです。
相続の手続きには、銀行預貯金の相続手続き、相続登記の手続き、相続税申告の手続きその他いろいろな手続きがありますが、各相続人がバラバラに相続手続きを行うと、それぞれの手続きが、どんな状況なのか分からなくなることにもなります。また相続人の中には時間のある人、時間を作れる人、多忙で時間がない人など様々な人がいます。
そこで相続人中の誰かを代表相続人として定め、その代表相続人が相続手続きを進めることが有益になります。
実際の相続手続きにおいても、相続人が自ら相続手続きをしなければならない場合を除き、代表相続人を1人定めて、その代表相続人が相続手続き全般を取り行うことが割と多いと思います。
遺産分割協議書で代表相続人を定める場合の記載例は下記のようになります。
記載例)
1、代表相続人は○○とする。〇〇は相続人を代表して各種の相続手続きをする。
※代表相続人の行う相続手続きの内容をより細かく具体的に定めることもありますが、基本的な記載例を書きました。
※具体的な相続案件ごとに特殊な事情があると思います。本ブログはあくまで参考として捉えてください。
代表相続人は相続人を代表して相続手続きをします。銀行の相続手続きでは、一旦代表相続人の口座に入金がされ、それを代表相続人が遺産分割協議書に基づき各相続人に振り分けると言う形になることが多いです。(厳密には金融機関ごとに差異はあります)
このように本来自分のお金ではないお金を一時的に預かったりするわけですから、責任感やモラルのある方が代表相続人になるほうが良いのは当然ですし、相続手続きは煩雑な手続きも多いので、手続きをするための時間を取れる方の方が良いです。
代表相続人として適した人としては、「手間をいとわない方」、「責任感のある方」、「時間の取れる方」、「法律的な知見などを持ち合わせた方」、「気力・体力がある方」などです。
前記のような資質を全て兼ね備えていなくても、より、ベターな人を代表相続人に選びましょう。
〇まとめ
代表相続人を定める事は義務ではありませんし、法律にも特に規定があるわけではありませんが、やはり代表相続人を定めて、代表相続人が相続手続きをまとめて処理したほうが、手続きがスムーズなることが多いと思います。
代表相続人になった相続人は、しっかりと責任感を持って相続手続きを行うべきですし、他の相続人は、代表相続人がうまく相続手続きができるよう協力すべきでしょう。
※具体的な相続案件ごとに特殊な事情があると思います。本ブログはあくまで参考として捉えてください。
※相続手続きでご不明な点などがあれば、相続手続きに強い当事務所にお気軽にお問い合わせください。