今年の登記は今年のうちに!
平成26年11月19日
早いもので、もう11月です。2年前にもブログで同様の内容を書きましたが、今回は異なった例、より具体的な例で、早めに登記をすることの効用について述べます。
固定資産税の納税通知書の名宛人は、その年の1月1日に登記簿上の名義人になっている方です。仮に故人であっても、その方がまだ登記簿上の名義人となっていれば、その方宛に通知書が来ます。通常は故人と同居していたご親族の方が、固定資産税を払うことが多いと思いますが、これも、ちょっと違和感がありますよね。この世にいらっしゃらない方宛に通知が来て、その方の代わりに納税するというのは…
ということは、今年中に登記をして、来年の1月1日にその相続人様が登記簿上の名義人になれば、来年からは相続人様宛に通知が来ることになります。「今までも税の支払いをしていたのは自分だし、別に、実益は無いな」と思えばそれまでですが、なんとなく違和感をお持ちになっていた方は、登記をしてすっきりしたほうがよいかもしれませんね!
次は遺産分割の例です。「遺産分割に関する合意もでき、あとは、遺産分割協書を作成し、各相続人がそれに署名押印し、必要書類がそろえば登記が出来る状態にある」とういう場合です。この状態・状況に安心して、「登記は急いでやらなくてもいいや」とお思いになる方は少なからずいらっしゃると思います。
しかし、この状態・状況は決して、好ましくありません。不安定・不完全な状態・状況と言った方がよいかもしれません。
遺産分割協議(に基づく登記)は、相続人様全員がその協議内容を完全に理解し、納得したうえで、遺産分割協議書を作成し、相続人様全員がご自身で署名し(記名でも法的には大丈夫ですが、証拠能力という観点から自署が望ましいです)、ご実印を押し、かつ、その協議書に基づいて登記をして、それで本当に安心!という状態になるのです。
仮に相続人様が複数名いたとして、「ある時期には完全に相続人様全員の合意はあったが、ある時期から相続人様の一人が心変わりをして、協議内容に異を唱え始めた」ということなどは普通にあることです。こうなると、登記完了までたどり着くために長い時間がかかる可能性が生じてきます。例えば、ご親族間の話し合いだけでは協議がまとまらず、家庭裁判所の調停⇒審判分割となったような場合などです。
このブログやホームページの各項目でも何度もいってきましたが、何の問題や障害もなく、登記が出来る状態・状況であれば早めに登記をした方がよいのです。
ということで、再び言わせて頂くと、今できる登記は今年のうちに!今できる登記は、先延ばしにしないで、きっちりと今年中に済ませ、登記簿もきっちり・すっきりした形にして、新年をお迎えになったらいかがでしょうか!心から安心して、新年を迎えられると思いますよ!